転職を考える

人事

 もし自分が転職という事態に直面したらいったいどうすればいいか。その際に慌てず自分の思いと行動を進めるための方策を考えてみます。

転職は千差万別も共通点はある

 転職が当たり前になったと言っても、その中身は非常に多様です。自分の専門分野でキャリアップを目的にした超前向きな転職、会社で行き詰まってやり直しを賭けた転職、いきなりのリストラで有無を言わさない転職、元居た会社に出戻り転職等々、理由も背景も人それぞれです。しかしながら現職を終えて新たな職に就くという点では同じです。その際にできるだけ抜かりなく転職を進めるためには何をどうすれば良いか考えていきます。

[1]まずは自分自身の棚卸し

  一体自分にはどんな力があるのか。これは絶対に押さえておくべき点です。前向きな転職ケースでも油断は禁物です。冷静に分析してできれば書き出して見ると自分自身への理解が深まります。

1. 自分の即戦力は何か

  顧客リスト、受注表、価格表があれば、明日からでも営業ができる。経営方針と社是が分かれば採用活動ができる。決算書類を読めば財務会計ができる。等々受け入れ先の会社はそんな即戦力のある人を期待しています。また自分が動けば一緒に顧客がついてくる。それもありでしょう。これが分かっていないとそもそも転職に臨めるかどうかも判断がつきません。

2. 専門家なのかゼネラリストなのか

 エンジニア、ものづくり、営業、経理、人事等を一貫して専門にやってきたスペシャリストなのか。会社のどの部署の事も何でも分かって会社を俯瞰できるゼネラリストなのか。欧米のジョブ型を目指すなら専門家を極める方向ですし、会社という組織に張り付くのであれば経営企画、総務、社長秘書等に身を置いて専門家をまとめるゼネラリストが目指せます。引いては経営責任者を目指す事もできるでしょう。

3. グローバルかローカルか

 海外勤務経験がある、なくても海外関連に明るい、または国内一徹なのか。今や事業がグローバル化しており、市場は国内でもサプライチェーンは海外各国という企業は多数です。生き残りのためにローカルからグローバルに転身して自らの選択肢の幅を広げる等、これも重要要因です。

4. 自分は何がしたいか

 就業は基本会社のニーズに左右されます。しかしながら自分の専門以外でも転職の機会に本当にやりたいことは何かを自問するのは大事なことです。結果、起業という解にたどり着くことも十分にあり得ます。また就業そのものが目的だという事を悟り直し、転職を諦めて会社に留まる事もあるでしょう。

5. 家族の賛同は得られるのか

 転職はメンタル、フィジカルで消耗する大変な作業です。家族のセーフティーネットは必ず確保しておく必要があります。家族の総意でキャリアップにチャレンジする事をサポートするか、一方で現在の会社にしがみつく選択肢もあり得ます。

自分の市場価値は、賞味期限は

 自分の価値はまだピーク手前、次の会社で伸び代を活かしてこの先20年は経営陣を目指してやる。今が市場価値はピーク、あと10年位を目処にこの会社でフェーズアウトする。このように大まかな時間軸は持っておきましょう。

[2]転職の大義名分は何か

 転職の内実は実際なかなかオープンにできない複雑なものだと思います。しかしながら転職の表舞台では誰が聞いても分かるようにその理由を説明できるようにしておく必要があります。いわゆる大義名分です。大体はポジティブワードで語る事になります。これは履歴書、採用面談、また転職後も結局問われる事になるので必ずしっかり作る必要があります。そのうちそれが自分の中でも「正」になってしまいます。唯一リストラを初めとする会社都合によるものは、ネガティブワードで語れそうですが、基本ポジティブにしておいた方が結局後々自分のためにもなります。

主な転職理由
  • キャリアアップを目指した業界横移動
  • 給与、報酬の向上
  • 海外経験をするため
  • 転居、家庭の事情による再就職
  • 成長市場での就労

[3]転職活動はマルチルートで

 今や情報は百花繚乱で選び放題にも見えますが、情報の偏重と希少なチャンスを逃さないために幾つかの違ったチャネルで並行して進めるのが良いと思います。

1. 大手転職エージェント

 とにかく情報量が豊富なのでまずどこか1社は登録してペースを掴みましょう。履歴書だけでは面接にまで行かないものも多いですが、打率よりも打席重視で進められるのが強みです。但し今やAIで対応しているのではと思われる部分もあり、マンツーマンのサポートは限定的と思われます。

2. プレミアム系エージェント

 実際、経営トップのオファーとが多く責任も重そうですが報酬もそれなりに期待できる案件が多いため、自信のある方はチャレンジする価値があります。

3. 地方ベースの中小転職斡旋会社

 大手だとなかなか個人へのきめ細かいサポートが行き届かない場合もありますが、地場の中小会社はマンツーマンの会話量が増えて面談への可能性も高い場合があります。地域に根ざした情報もあるので大手と併用すると比較ができます。

4. コネによる紹介

 知人の紹介、前職の仕事繋がり、学校のOB等、履歴書にはない人となりも良く分かっているので、かなり安心で手堅いルートです。反面人間関係のしがらみがある程度はできてしまうので、そこのバランスに拠ると思います。

5. 会社の人事部の斡旋(会社都合の場合)

 ある程度の規模の大企業で可能なサービスです。会社の人事部と信頼関係があれば、紹介、事務手続き含め最も省エネかつスピーディーに進められます。

[4]最後に決めるのはご縁

 表の舞台は理詰めで進めて、裏事情は面談でうまくアイコンタクトができれば少し吐露して、最終的に決めるのは自分です。ちょっと話がうま過ぎる、何かブラックな香りがする、営業部長にとても惹かれる、海外赴任が魅力的、今ならまだ今の会社に引き返せる等々、「正直わからないけど決めないと」というのが最終段階でしょう。よく耳にするのは、「結局ご縁があったので」という言葉です。社長が同郷だった、今の会社出身の人が結構来てる、親戚が近くに住んでる、何でも良いのでご縁を感じてしまうのが、精神衛生上もよく納得できるやり方ではと思います。これも生き残りの術、転職スキルと割り切るのも良いでしょう。

日頃の精進が実を結ぶ

 転職は意図しないものも多いかと思います。いつそうなっても対応できるように、どこへ出してもやっていける自分を磨いておくのは、勤め人のセオリーだと思います。例えば競合他社で自分と同じポジションにいるカウンターパートの人には負けない、管理職をやっているがプレーイングマネージャーとして手足を動かして実務目線で仕事ができる等、自分自身の競争力維持は、いざ転職となった時にきっと強い武器となります。

転職に直面したら、

  1. 自分の棚卸し
  2. 大義名分は何か
  3. マルチルートで活動
  4. ご縁に納得して決める

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