マーケティングとは
マーケティングというと少し高尚に聞こえますが、実際は戦略的なものから実務そのものまで多岐に渡ります。そもそもは「モノをつくれば売れる時代」から「仕掛けをしないと売れない時代」の変化の中で目の前の在庫処分の必要に駆られて出てきた考えだと言われています。モノが溢れて久しい昨今では、マーケティングを抜きにしてはもはや何も始められない、つまり会社の経営に直結したとても大事なものなのです。
今回のポイント
一言で言うと、「4P」と「Push&Pull」に集約されるお話です。4Pは、Product(商品・サービス)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促)です。この4つを具体的に言うと「製品力」「コスト力」「販売ルート」「宣伝と拡販プロモ」で、これらを自社の身の丈に応じてベストミックス出来るかがポイントです。Push&Pullは語呂がいいのですが、実際は逆でPull&Pushです。市場で引きを創って、販売で押し出す考えです。4Pでプランニングして、Pull&Pushで実行です。


Pullが全ての決め手
やはり今の時代は「Pull」をどうするかが圧倒的に大事でしょう。4Pの中ではPromotionに連動する部分です。ウェブマーケティングが主流の現代では、ターゲットユーザーに直接働きかける手法がどんどん出てきています。YouTube、TikTok動画はTV宣伝を凌駕するまさにSNSの時代ですね。一方で「今更ラジオショッピング?」みたいな伝統的な手法も一定層には効くし、「口コミ」で地道にやるのも健在で選択肢は多彩です。いずれにしてもまず「引きを創る」「知ってもらう」「選ばれる」ことが、マーケティングの真髄と言っても過言ではないでしょう。
Pushで止めを刺す
もう片方の「Push」はProduct、Price、Placeに深く関係し、押し出すモノ・サービスの総合力となります。強い販売ルートを押さえ、値頃感を演出し、競合他社をかわして、顧客に辿り着くプロセス全体がPushです。これは決して押売りでなく、むしろ顧客を納得させるロジック、熱意、提案の連打です。購買マインドの琴線に如何に触れるか、Pullで創った大事な「引き」から売上へのラスト1メートルをしっかり押していくイメージ、それがPushの醍醐味です。
実際はPullもPushも明確に線引きするのは難しいですが、この考えの基、プランするマーケティング側も実行する営業側も、「引いて押す」また「引いて押す」というチームワークを一体感を持って進めることができます。
超具体的に使い回す
日々悩みながらマーケティング戦略を考えている方へ、困ったら「4P」と「Push&Pull」に立ち返ることです。例えば複雑だと思った「新製品の投入プラン」が、4Pで分解してみると軸が出来て、順序立ててプレゼンがこなせます。また競合他社を攻略する突破口としてPush&Pullの販売施策を営業に提案できます。この様に問題や課題にぶち当たったら「4P」と「Push&Pull」の切り口で分析するのは、あれこれ悩まず仕事を機動的に進める一つの知恵です。「販売実績が悪い」なら、製品はどうか、価格は適正か、販路で揉めてないか、販促予算は足りているか、等々問題打開の切り口としてサクサクと使えばいいのです。


今後への期待
デジタル化、メディアの多様化、AIの登場で世の中の流れは従来と全く違ったものになりつあります。特にスピード感において目を見張ります。しかしながらツールは変われど基本の考えはしっかり持っておきたい、それが「4P」「Push&Pull」に集約されました。この自分のやり慣れた手法はこれまでの海外経験でも十分に成果を得てきましたし今も実践しています。「そうだな」と共感できる方は、是非直ぐに使って日々の成果に役立てて欲しいと思います。また状況に合わせてトッピング、アレンジをして変化させて行って欲しいと思います。
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