どんな組織が理想か
仕事はリアルオフィスであれ、テレワークであれ、海外モバイルであれ、基本は組織で動くものです。一人で完結できるものもあれば、チームでないと対応できないものもあります。一体どんな組織でやるのが成功と成果を得られるのでしょうか。
組織の仕組み
自分一人でやれる仕事は、IT化が進んでも所詮24時間、365日しかないわけで、やはり限界があるものです。大きな仕事、高い目標を達成しようと思うと、仕事は組織で進めるものになります。会社を人間に例えると、ブレインは経営陣で、骨や筋肉に当たるのが本部、部、課やチームという実行系部隊になります。
よく課やチームは経営の最小ユニットと言われます。ユニットそれぞれが一糸乱れずその持てる機能を発揮して正常に且つ正確に動けば会社全体として大きなパフォーマンスが得られます。世のリーダーの方々はこのユニットを任され機能不全に陥らないようにフル回転させる役割と責任を背負っています。
打てば響く組織
人の体にも肥満型、痩せ型、筋肉質など色々ありますが、ここで理想とされるのは、まさに「打てば響く体」なのです。もちろんブレインがしっかり考えを持って指示、方向付をするという前提ですが、出された指示命令に敏捷に反応して、スピーディーに且つ正確に動く体、それが「打てば響く体です」。まるでそんな体のような会社が、「打てば響く組織」を持っている会社ということになります。
どうやってつくる
さて、そんな組織を作るには、人間の体と同じように鍛錬が必要です。PDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルは、まさに「打てば響く組織」作るのに打ってつけのトレーニングサイクルです。考えて、実行して、レビューして、そして次に向けて改善する。繰り返し何度も何度もやることで組織としての一つの「行動原理」が確立してきます。行動原理は「問題に対処する組織としての決め事」という意味合いですが、それを「打てば響く組織」というものに統合して組織として体に染みついたものにしていくイメージです。
どうやって動かす
経営の最小ユニットであるチームがこの行動原理を愚直に実行していきます。チームの責任者がリーダーシップを発揮して、チームがこの行動原理の下、モチベーション高く動いている、それが「打てば響く組織」なんだと思います。言うは易しですが、実践できている組織は決して多くないのが実情だと思います。そのためには怠け者になりがちなセル達を常にアクティブに動かし続けるリーダー達の努力が不可欠です。そしてそのリーダーシップの源泉はトップマネジメントの強い意志であり、いわゆるカリスマに支えられたものです。
掛け声だけでは動かない
そのような正論の一方で正直なところ、やはりモチベーションの裏付けはしっかりとした評価が欠かせません。つまり報酬という最終の形が明確になければなかなか思いだけでは人は付いてきませんし、また組織も動きません。昨今ようやく変化の兆しが出て来たものの、日本の労働市場の賃金の安さ、企業の内部留保はあるがなかなか賃上げに結びつかない厳しい現実が報道されます。これは裏を返せば、「打てば響く組織」の実現が難しくなっていて、その数や質が全体として落ちていると言わざるを得ません。もっというとそのような基本要件が整っている国、社会に「打てば響く組織」が生まれやすいとも言えます。アジアの隣国の所得水準がグングンと伸びているのは組織運営の点でも競争力を増してきていると言えます。

あらゆるジャンルで期待される組織
2025年9月現在、スポーツの世界ではサッカー、ラグビー、バレーボール、バスケット等々で手に汗握る国際マッチの接戦が繰り広げられています。いいゲーム、いいチームを見ていると、監督のもと本当に「打てば響く組織」を体現できている逞しいチームが多々見られます。また女子チームの台頭も著しく、日本もスポーツにおいてグローバルに競争力のあるレベルになってきました。政治・経済・スポーツ・文化あらゆるジャンルで、「打てば響く組織」の広がりを期待します。
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