後継人材をつくる7つのステップ
「来年になるとあの人がいなくなる、ではどうしよう?」世のリーダー達は日夜頭を悩ませていることと思います。誰だって日々七転八倒です。部下を上位職に引き立てようとしたら「興味が無い」とか、ポジションに付けても結果が出せず「退職します」など、結構凹むことも多い昨今です。結局、次代の育成、特にリーダーの育成は、本人のやる気、成功体験(失敗も成功の内)、自信の醸成、自らが挑戦、というステップが必要なのだと思います。
それでは私なりの人材育成の7つのステップをご紹介します。うまくいく人行かない人があるとは思いますが、一つの事例として取り入れ他のアイデアと組み合わせるのもアリかと思います。
【1】本人のやる気のチェック
やる気の無い人を鼓舞するのはお勧めしません。少々スキル不足でもやる気重視です。また何事によらず自分の考えを持っている人も大事です。日頃の会話とか、人事面談とかで時間をかけて確認しておく必要があります。大事な準備部分です。やる気のない様に見えた人も時が経てば変わることもあるので注意深く見守ってやる気度を見極めます。
【2】やる気に火をつける
やる気がわかれば、それに火をつけましょう。一番直接的なのは「昇格・昇給」です。ただしこれも出し方を気を付けないと有り難みがわからず本当の意味で効きません。まずは「仕事の力をつける」がテーマです。力が付けば仕事は面白い、人もポジションも付いてくるという理屈に本人の合点がいけば第一段階は成功です。
【3】課題・プロジェクトに取組ませる
ここは現リーダーのあなたの腕の見せ所です。成果の出せそうな課題やプロジェクトを企画して現実的な夢を演出して巻き込みましょう。実際、業績にも貢献し、職場のためにもなる案件が必要です。これをあなたもやってもらって今リーダーでいるわけですから。順送りの精神で一肌脱いで踏ん張って下さい。
【4】仕事のコツを教える
リーダークラスになると既にいろいろなスキルも経験も身に付けています。しかしどうも社内決裁が苦手だ、プランニングは好きでない、顧客との商談で成果が出せてない、人のマネージのポイントがつかめない、等々あらゆるジャンルでオールマイティーな人はいません。不得意分野の克服を一緒に取組むことで、「あ、そうか」となれば一つコツをつかんだことになります。もちろん得意分野での取組みもありです。仕事のコツを覚えることで一気にモラルアップが図れます。
【5】成功体験をさせる
仕事のコツと関連する部分です。商談が成約した、粗利益が増えた、顧客の信用が得られた、上司が納得した、決裁可決した、グループでリーダーシップが取れた、成功体験はあらゆるところにあります。成功して気持ちが良かった、もう一度成功したい、新しい事に取組む、また成功する、もっと気持ちが良い、こうやって何度も気持ち良くなることが大事です。医学的にはドーパミン効果です。それが自信になり、仕事が好きになり、最初に言っていた「仕事の力が付けば仕事は楽しくなる」を体現します。失敗もありますが、成功した時に気持ち良さが倍増します。またもう一つ大事な事は、成功は一人だけでなく多くの人との絡み合いの中で生まれた事への意識と感謝です。チームワークを習得しないと大きな仕事はできないからです。
【6】昇格試験にチャレンジさせる
与えて貰ったテーマで、仕事のコツを掴み、成功体験をし、それを色々なテーマで再現できるようになりました。仕事の力は付いています。次は自分でテーマを決めて、自問自答でコツを掴み、成功を勝取り、自己完結で喜びを掴みます。更に大きなドーパミン効果です。このプロセスが昇格レポートや昇格研修です。ここは徹底的にコーチングに徹しましょう。ポイントは自己完結とチームワークが両立できるかどうかです。これができればリーダーです。
【7】昇格・昇給する
仕上げは肩書きを与え、給与・ボーナスを増やしてやります。これで次代のリーダーが一人誕生です。最低でも1年、普通は2−3年かかるプロセスですが、これがリーダーの仕事です。

まとめ
この7項目は一つの形であって、実際は【6】【7】は必ずしも昇格とは限らず、ポジションはそのままで昇給のみということももちろんあり得ます。あくまで一例です。ケースによっては、例えば海外駐在を任命したり、栄転異動をする事で【3】の形から入ることもあるでしょう。
要はやる気を見出して、仕事のコツを伝授し、何度も気持ちいい経験をさせて(辛いこともあってのいい気持)、人との絡み合いの中で仕事にどっぷりハマってもらうことができるかどうかが、後継人材の育成のポイントです。
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