顧客との商談、さあどうする

営業

 

商談とは何なのか

「商談」と言う言葉、ビジネスをまとめる交渉の場と言うことで使われるようです。一方「打合せ」は進捗の確認やフォローアップの場を意味します。これらはネットで調べた言葉の定義です。しかしどんな話であれ気合を入れてビジネスの話をすると言うのは「商談」と言う言葉の方がピッタリくると個人的には思っています。

 商談はもちろん結果が大事です。注文が取れれば七難隠して全て良し、運も実力の内、勝てば官軍と、どっかの営業マンが豪語しそうです。しかしながらまぐれ当たりでなく、一定以上の勝率を稼いだり、仮に成約しなくても次に繋がる成果を残すためには、それなりのプロセスが充実している必要があります。

商談では何が大事か

 では何が大事なのか。私自身も若輩の頃はいろいろ考えてやった記憶があります。まずは気を引き締めて、失礼の無いように、こちらの主張も忘れずに、当然話はよく聞こうという礼儀・振舞いの注意です。また話し方は大きなビジネス環境の話題から始まって、徐々に本題に迫るテクニック的なものへの配慮等です。それらの奮闘が功を奏したのか、単にそもそもの提示条件がよかったのか、基本的には営業売り込みでしたので、無事注文が取れた時はホッとしたものです。今思うに、そうやって七転八倒する中で、「この人の言うことなら信じられる」という「信頼」がお客様との間に自然に生まれていたのでしょう。

信頼をつくり上げる場が商談

 「信頼」、それは製品でいうと「ブランド」、会社でいうと「企業名」、人で言うと「〇〇さん、と言う個人名」、に現実的には置き換ります。売った買ったも大事ですが、この「信頼」がビジネスでは一番大事で、それがある限りお金の出入りが起こり企業は存続し続ける訳です。そしていつしか、その「信頼」を創り上げる壮大な作業プロセスの重要な確認の場が、「商談」ではないかと考えるようになりました。さてその商談ではどう言うことに気をつければいいのでしょうか。

信頼のフォーマット

 商談は一人でもやれそうですが、より大きな信頼はチーム、グループに支えられないと創れない場合もあります。個人的な経験ですが、メーカーと商社を例に取るとこの信頼の考え方が随分違うものです。私は商社からキャリアが始まっていますが、商社の信頼のベースは「人、個人」です。安倍商店であり、宮田商店なのです。一方メーカーは「ブランド」「企業」というグループがベースです。商社では顧客の情報は、安倍商店のもので、宮田商店には原則秘密です。ところがメーカーだと顧客の情報はブランドグループ皆のものです。秘密にしておくと、えらい怒られます。基本直ぐに共有して皆で考えられるようにします。ここでは「信頼」を形づくる時に相手の信頼のフォーマットを良く理解しておくことが結構大事だと言うことを言いたいがために引用をしています。他にもオーナー企業とサラリーマン企業等、業界・相手が変われば信頼形成のフォーマットは違います。商談をする時にだれとどういう風に会話をして信頼を築いていくか、信頼形成のフォーマットはよく理解しておく必要があります。

大事な準備

 そしてとても大事なのは準備です。商談は90%準備で決まるとよくOJTされました。価格表、受注表、製品仕様書、成約目標、業界情報等々、商談をあらかじめシミュレーションしてプランAからB、Cまで考えて準備するのです。それをやっておくことで仮に実際の商談で、プランDが出てきても慌てず対処できる応用力が既に自分の中にできているからです。これに関しては、面倒くさいなと思っても、実際に準備してみて商談に臨んで「あー、準備しておいてよかった」と是非体現してください。「騙されたと思ってやってみて」と実行を絶対にお勧めしたい部分です。

商談根性をつける

 最後に忘れてならないのは、やっぱり意気込みです。ブログの「プレゼンテーションをものにする」で話した「気」「情」「知」はここでも使えます。それと自分の「決め文句」を用意しておくことです。「私を信じて、私もあなたを信じるから、Believe me, I also believe you」はよく使っています。特に海外顧客とのでは良く通じるように思います。それと原則禁じ手ではありますが、少し話を盛るのも1−2割はTPOでありと思います。嘘は絶対にダメですが、ロジックに基づく推測は時に方便です。これら意気込みを総称して「商談根性」と呼んでいます。ちょっと昭和な感じですが、困っている若手や新人には、「商談根性つけて来い」といって顧客へ送り出します。

 「企業価値」「ブランド」「信頼」醸成のためには、「商談」は必須のプロセスです!

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