プレゼンテーションを得意分野にする

全般

週間会議、月例会議、新製品発表会、事業目論見の報告会、課題検討会等々、プレゼンが必要とされる局面が目白押しの昨今に、プレゼンを得意にする具体的方策を指南します。

プレゼンは重要なコミュニケーションスキル

 ビジネスシーンでプレゼンの機会は数多く、部署やポジションによっては毎日何かしらのプレゼンをしている人も多いのではないでしょうか。プレゼンすることで自らが情報や意思をアウトプットし他人や他部署を動かすことができた経験で、当事者や職場のリーダーはメキメキ力を付けることができます。一方でプレゼンが苦手な人も多く、プレゼンが日常化する中で何とかそのスキルを習得したいと思っています。ここでは前編の「コミュニケーション力をつけたい」の一つの実践手法としてプレゼンを取り上げて、どうやればいいのかを考察してみたいと思います。

[1]プレゼンの効用と期待されるもの

 プレゼンは色々なスタイルがあっていいと思いますが、ビジネスシーンでは会議の場で、参加者、聴衆を前にパワーポイントの資料に沿って説明・アピールをしてその考えに対して賛同、承認を得るという事が一般的だと思います。もう少し詳しく分解すると以下の様になります。

1. 情報・意見を伝える

 新製品の発売、事業目論見の概要、決裁稟議書の説明、業界調査報告等々、会議の場で正確に価値ある情報の伝達を行うのが第一義です。そして自身の意見、提案、具申内容をこれも明確に伝えることになります。

2. 行間の説明、説得をする

 プレゼンは必ず特定の目的がありますので、それに向けて資料にはない背景情報を説明し、当該目的に向けた関係者への説得を試みます。また意見収集を行い自らのプレゼン内容へのフィードバックにします。

3. 印象、感動を与える

 プレゼンは映像と音声のアウトプットですので、いわゆるライブ的な臨場感を生み出します。単なる資料の配布説明ではなく、強い印象(ポジティブもネガティブも)の創出、また何らかの感動の演出が可能です。むしろそれがプレゼンでの最大ポイントであります。

[2]プレゼン本番に向けた段取り

 毎日のニュース番組にリハがあるように、仮に毎日プレゼンする人も準備のプロセスは欠かせません。ルーティーンになれば一人で背負わず、チームで役割分担して進めることもできます。プレゼンも量が増え、質が上がるとチームの総力を結集した取り組みとなります。

1. プレゼンテーマの決定

 何をゴールにプレゼンするか、テーマ設定は重要です。「次年度予算の概要説明」というかなり大きなテーマから、「当月のA地区に於ける集客対策」という限定テーマまで、優先順位を明確にしてテーマ設定します。

2. プレゼン資料の作成

 「情報の正確性と見易さ」がポイントになります。特に見易さに就いてはプレゼンをする相手の立場、嗜好を考慮して、「大きなテキストで箇条書き」、「緻密な集計資料の添付」等々、何が求められているかを見栄えに反映します。見栄えより中身はもちろん重要ですが、プレゼンの劇場効果は侮れず、見栄えを逸したプレゼンは時には退場ものです。

3. プレゼンターのシナリオ

 プレゼンターの力量によるところが大きいですが、プレゼン資料に書いてあることはそれ自体がシナリオですので敢えてシナリオにする必要はありません。上記で説明した「行間の説明・説得」に必要な情報のまとめがシナリオの中心になります。また「印象・感動を与える」目的で、アニメーション効果を追加したり、動画ファイルや関連リンクを挿入したりします。これらはプレゼンターの仕事です。

4. プレゼンのリハーサル

 プレゼンに慣れている上級者はぶっつけ本番もありですが、特にプレゼンを苦手としている習得途上の人は、この機会に必ず練習が必要です。練習はした分だけ必ず成果となって現れます。物怖じする気持ちが最大の敵ですので、オープンで前向き、多少前つんのめり位を目指して次の点に留意しましょう。

  1. 大きな声で明瞭に喋る ー マイクが仮に壊れてもやれるように
  2. 相手、聴衆の目をみる ー 相手の共感を誘う
  3. 身振り手振りを添える ー 本気度が伝わる
  4. 原稿は原則読まない  ー 手元に箇条書きのレジュメに留める

[3]プレゼン本番の気構え

 ここまで準備が整えば、後は本番でパフォーマンスを仕切るだけになります。パフォーマンスの意味合いですが、歌手や俳優がステージで歌や芝居をやり切る感覚とほぼ同じと考えればいいと思います(ステージ経験はないので)。やることは冒頭に記した、1️⃣情報・意見を伝える、2️⃣行間の説明、説得をする、3️⃣印象・感動を与える、です。時間も決まっていますので、始まったら前だけを見て進んで出し切ってエンディングを迎えるという感じでしょうか。

カント哲学に学べ

 ドイツの哲学者、イマヌエル・カントの人間の精神活動の基本要素という概念があります。これがプレゼンの気構えとして参考になるので少し紹介します。

 「知・情・意(ち・じょう・い)」が人間の心の働きである、「知性」「感情」「意志」で、これら三つのバランスがとれることで、豊かで安定した人間性が形成されるという概念です。

 翻ってこれをプレゼンの気構えということに当てはめると、「知」は情報「情」は感動、「意」は説明に置き換える事ができます。つまり「知」は常に情報の正確性、有用性を担保し、次の順番では「意」で自身の意思を説明、説得することになります。そして最後に「情」で印象・感動を与えて共感を生み出し、非常にバランスの取れたプレゼンが行えます。

 もう少し補足すると、「知」は自分なりの考えの独自性、他人と差別化された考えの切り口「意」は気合を入れて自身の意思を出し切る「情」は相手の心の琴線に触れ、喜怒哀楽を含み、聴衆に喜んでもらったと思えるプレゼンにまとめ上げる。という具合になります。

[4]プレゼンをカントする

 プレゼンはカントの視点で組み立てることもできるし、また他人のプレゼンを逆に分解して分析することもできます。日常業務では、ややもすると「情報伝達スキル」に偏ったプレゼンを作りがちですが、「情」「意」の要因を常にプレゼンの監修に織り込んでやれば、完成度の高いものが仕上がります。また職場のリーダーの立場では、部下のプレゼン指導にあたる際に一歩上の目線でのアドバイスが可能になります。

プレゼンをマスターしコミュニケーション力をアップ

 プレゼンのやり方をできるだけ体系的にまとめましたが、結局は実践をこなす事がプレゼンマスターへの最短の近道です。時には追い込まれて修羅場を経験することもあるでしょうが、ビジネスマンにとってはこれ以上の有機肥料はありません。是非前向きに挑んでください。

プレゼンテーションを得意分野にするには、

  1. プレゼンに期待される主要3点を押さえる
  2. 本番に向けた段取りを着実にこなす
  3. 本番での気構えを、カント哲学に学ぶ

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