業績を伸ばそうにも肝心の人が十分に居ない。職場を預かるリーダーの人のマネージは最重点課題と言っても過言ではありません。悩んでいるのはあなただけではありません。
人がいない
いつの頃からか「人がいない」と言われ始めました。単純にやる人がいなくて人手不足という側面と、頭数はいるが適材の若手がいないというなどの人材不足の側面があります。ほんの3年前なら定年が来る人には「お疲れ様でした」というのが会社の一般的なスタンスでしたが、いざ3年経ってみると、「おいおい代わりがいないぞ」という現実に直面し、定年延長や年次延長の新ルールが発令、年齢のゴールポストはジリジリと動かされ引き上げられています。一方苦心して採用した若手も3年たたないうちに半分位は平気で転職してしまう。このin-outがバランスしない袋小路に入ったような人材の課題をどうすればいいか、職場のリーダーはまさにその運営を任されています。具体的な対応策を考えてみたいと思います。
[1]人材の育成、調達を同時進行
人材がいなければ育成するか、どこからか調達してくるしかありません。黙っていても何も変わらないし誰かが助けれくれるわけでもありません。事態の深刻さを悟って人材獲得に奮闘することになります。しかし闇雲に動くわけにはいきませんので落ち着いて優先順位をつけて粛々と進めていきます。考えられることを下記します。
1. 現有人材の育成
もう既にやってるわと誰もがいうと思います。しかしながら育成担当を変える、OJTを強化する、OFFJTにも費用をつける等々やり方を変えてみることで道が開けるかもしれません。最も基本的な方法で簡単に逃げるわけにはいかない王道です。時間はかかりますがコスパのいいやり方です。
2. 他部署からのローテーション
人事は多くの場合give and takeです。日頃から意識して他部署とも大いに交流して人材の目星をつけおくのもリーダーの重要任務です。人事部に頼らずとも自らが動いて調達です。地方での転勤派遣の解除をモチベーションにしたり、新入社員を諦める代わりにベテランを貰ったり、人事をフルに使って調達交渉です。
3. 公募による採用
コストはかかりますが背に腹は変えられません。転職市場に売りに出ている人材は結構います。決して打率が高いとは思いませんが、思わぬ人材との巡り合わせも十分期待できます。これは人事にお願いして事務的な部分は助けを乞いましょう。ポイントは自社にとって即戦力人材かどうかです。
4. 関係会社からの採用
グループ内子会社や取引上の関係会社は、業態に共通点があったり、企業カルチャーも似ていたりするので、人材の調達先としては有力候補です。但し雇用条件の調整や勤務地等で調整が難航することもあるので簡単な選択肢ではありません。出向扱いだと比較的ハードルが低いですが、転籍や転職となると受ける側もそれ相応の覚悟が必要です。
5. 派遣社員による暫定措置
これは多くの会社で実践されていると思います。いい人に巡り会えばそのまま準社員、正社員という道を歩むケースもあります。しかし昨今はコンプライアンスで折角職場に馴染んでも3年区切りで契約は解除という会社もあります。従って基本は暫定措置となりますので、その間に育成と正規調達をやり切る必要があります。
6. 外部委託業者への業務委託
人材も育たない、調達もままならないとなれば、第3者への業務委託という選択肢になります。秘密保持の点で委託できない業務があったり、無理が効かない等色々制約がある形態です。応用編としては退職者を業務委託契約で暫く繋ぐというやり方もあります。暫定ということでは派遣社員と似ていますが、元身内だということでのメリットもあります。
[2]育成ニーズは続く
自社の育成人材であれ、外部からの調達人材であれ最終的には職場に必要な人材に育成するというニーズは継続します。職場のリーダーはこの点に於いてノウハウや見識のアップデートが欠かせません。なぜなら氷河期、ゆとり、Z世代と人の考えもライフスタイルも変わっています。しかしいつの時代にも通用するやり方は何か自分なりに持っておく必要があります。また当然のことながら悠長に育成をする暇はありません。スピード感を持ってやる意識と工夫も必要です。
1. 世俗化した法則をうまく活用する
営業を教えるのに顧客訪問に同行して指導するという昭和的な手法ではスピード感が出せません。そこで先人が作り上げてくれた法則を使うのは一つのやり方です。例えばマーケティング4Pを使います。これはProduct, Price, Place, Promotion(商品、価格、流通、販促)の略でマーケティングを組み立てる際にこれらをミックスする戦略のことです。これを逆手に取って、「何か問題が起きたらマーケティング4Pで分解する」とします。つまり商品は何が悪いのか、価格は適正か、流通はスムーズか、販促は不足してないか、という具合です。同じようにAIDMAで考えてみろ、PDCAで回してみろ、これは海外に出た時も言葉の通じにくい相手とわかりあう手助けになります。
法則を使った育成指導
- マーケティング4P:営業課題はマーケティング4Pで分解して整理する
- AIDMA : 消費者心理分析は、顧客の攻略アプローチにも応用展開できる
- PDCA : 目標達成に向けた組織運営はPDCAで回せ
2. 同じ目線で協業し心を掴む
上から目線での指示、指導ではなかなか意図が伝わりません。同じ目線に一度立って共通課題を協業して解決することで共通の成功体験が築かれ、初めて真のコミュニケーションが成立します。例えばある顧客と商品供給でトラブルになった。上記のマーケティング4Pを一つ一つ一緒にレビューする。すると流通施策で事前に交通整理が十分できていなかったことが判明。トラブルの原因の二次卸への直販を止めるため、当該卸に一緒に頭を下げにいき善後策も提案してWINWINで解決した。という一連の課題解決をOJTでやることで、指導される側には課題解決の大きな事例と考え方のヒントが提供されます。大変な仕事ですが、これがリーダーの腕の見せ所です。
3. リーダーシップで引っ張る
同じ目線の協業が寄り添う指導だとすると、もう少し高速で別次元に連れて行くのがリーダーシップで引っ張るのイメージです。これはリーダーの得意分野で「こうやって仕事をやるんだ」といういわゆる背中で魅せるやり方です。折衝が得意なリーダーなら、他部署との内部調整、顧客との商談に随行させる。企画・構想力に長けているリーダーなら予算計画の策定に参画させる。総括・調整力型なら社長決裁書の代筆をさせる。等々これは実際の職場でもあることだと思います。

人の成長は乗数で効く
確かに人手不足と言われています。しかしながら少ない人口でも経済成長を成し遂げている国もあるし少数精鋭の企業も存在します。色々考えられる方策、また自身が経験してきた人の育成観も含めましたが、人が成長すると調達した二人が四人の工数に化け得るのです。つまり掛け算で効いてきます。長いデフレ経済でコストカットが当たり前になり、人もコストに見られる傾向がありますが、人をバリューだと見ていく考え方を是非心構えにしたいと考えます。
人手不足は、
1.あの手この手で人を調達し
2. 育成して人をバリューに変えて乗り切る


コメント