考えるプロセスにもトップダウンとボトムアップ

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トップダウン的な考えるプロセス、一方ボトムアップ的なプロセス。そんな風に感じる考え方の違いに直面したことはありませんか。ちょっとエッセイ風に書いてみました。

不思議な人

 これは全編の「トップダウンとボトムアップでどうマネージする」の組織運営の話ではありません。人がモノを考えるプロセスにそのようなタイプがあるという話です。働き出して10年位経った時にちょっと自分(達)とはモノの考え方が全く違う人がいるんだと気づくようになりました。我々が何かの問いに対して答えを見つけようとコツコツと階段を一段ずつ上がっているのに、その人は頂上のゴールにあっという間に到着していて、まるでテレポーテーションでもしたかのような瞬足ぶりです。そんな人に同じような階段を上がるような説明をしてもそもそも考えのベースが全く違うことにしばらく気が付きませんでした。

ある会議で

 メーカーにいると機種別の生産販売計画を一個一個積み上げていく仕事があります。最後トータルでどういう数字になるかを見て具体的な発注・仕入れ計画や、引いては経営管理にと繋がっていくものです。この会議を仕切っている担当者並びに運営者は真面目に一個一個の検討と集計を大方1日かけてやっていきますが、その間どういう数字になるかのゴールは具体的には見えていません。特に大きな生産販売計画の変化(台数、単価等)があった場合は尚更です。

 一方その人は、会議の冒頭で生産販売計画の変化点が大凡わかると、「まあ15%位販売金額が減って在庫金額が10%位影響受けて増えるので、、、」てな感じでつぶやいて、「購買グループに材料調達調整のお願い、明後日の経営企画会議の社長報告資料のニュアンスは少し警戒に変える」、それって会議の結果をまとめて総括会議をやって決める内容でしょ。まあこれは一例ですが、ことほど左様にまだコツコツグループには見えていない事象を見通してしまうのです。

冷静に考えると視点の違いと情報収集力

 これは魔法でもなくて、スペシャリストとゼネラリストはこんなに違うという風にも置き換えられるケースです。その人は、既に生産販売計画の縦横計算のロジックがしっかり頭に入っていて、台数や単価のインデックスが変わるとどうなるかは十分承知しています。これは過去に経験した業務経験も含めての能力です。つまり違う視点を既に持っていると言うことです。

 また何と言っても社内を横断的に見渡せる情報収集力がずば抜けています。営業の人ですが、開発、製造、企画、総務、人事、経理、それぞれに仲のいい人がいて皆んなが一目置いてます。その情報収集ミックスで出てくる答えが上記の通り誰も見えない独自の結論を導き出します。いわゆる会社のことなら大体の事がわかるゼネラリストの代表格です。

 一方のスペシャリストは情報収集して、整理分析して、見える化して、更に関連部署と試行錯誤して、「あーそうか」とやっとゴールに辿り着きます。どちらもゴールは大きくは変わらないんですが。

考えも、トップダウンは早く、ボトムアップは精緻

 社長はゼネラリストの頂点なので当然トップダウンの考え方です。情報が十分あるからですね。一方各職能部門はしっかりボトムアップで積み上げます。正確なもの、組織の総意が出てきます。前者はスピード、後者は正確で総括性が高いと言えます。

 考えてみると一般的な企業の組織運営は、トップダウンとボトムアップが自然と融合しています。上記のようにトップダウンはゼネラリストボトムアップがスペシャリストと置き換えると、組織運営の決定の加速装置としてゼネラリストを適宜配置することは理にかなっています。また仕事の精度、総意の凝縮にはスペシャリストが適任です。

世の中のトレンドは

 ジョブ型で転職してもキャリアが積み上がる流動性の高い労働市場の拡大を望むトレンドがあります。これはまさにスペシャリストを極める流れです。実際、米国で働いてみると営業は営業しかやらないし、経理は経理のみでオーバーラップが本当にありません。端的な例が「商品代金の回収」です。営業は売ったので後は経理で代金回収の責任は負うというのが米国流です。日本はどちらかというと営業は売るだけでなく回収まできっちりやって一人前です。まあこれは多分に文化的背景の違いと思います。

 気になるのは、ゼネラリストの価値は以前ほど期待されていないのが今のトレンドではないかと言うことです。でも職場の「不思議な人」は、何でもまとめてくれてしまいます、それも瞬足で。実はゼネラリストをしっかり養成した方が、会社の組織運営のスピードアップ、そして更には頭の痛い「後継者問題」の最有力候補の育成に繋がるのではないか。ゼネラリスが実は穴場でないか、若い人にも教えてあげたい気がします。

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