超グローバル人材

ビジネスブログ

グローバル人材が必要と言われた時代がありました。日本の経済が国際化し実際人がどんどん海外に出ていった時代です。結果、格差の拡大やサプライチェーンの脆弱性が露呈するなど問題点も多発、むしろ脱グローバル化の流れです。ではもうグローバル人材は不要なのか。日本に限っていうと「超グローバル人材」が実は必要になっています。

国家ビジネスモデルと人材

 日本は島国で、エネルギーも出ないから、原材料を仕入れて付加価値をつけた魅力的な製品にして外需で稼ぐ「貿易立国」になるべきだという教育を受け、1960年代、70年代、85年のプラザ合意まで経済大国を目指して躍進してきました。当時は「海外駐在員」が海外の最前線で奮闘しこの国家ビジネスモデルを牽引してきました。現地で何でもやるスーパーマン的人材です。

 その後の国際社会はグローバル化に舵が切られ日本も輸出モデルから多国籍企業モデルを目指します。この頃に必要とされたのが「グローバル人材」です。製造業を中心に営業のみならず、開発、製造、管理とあらゆる職能の人材がグローバルで働くことを求められました。

 日本は失われた30年を迎えますが、それでも国際社会で耐え抜き未だに経済大国を維持しているからこそエネルギーを他国から買い続け、産業革命以来の近代文明を謳歌し続けているのだと思います。

これからの時代に即した人材

 グローバル化が高度化した結果、格差が拡大しサプライチェーンはむしろ脆弱性を露呈する場面が増え、政治的な変容もあって、時代は「脱グローバル化」に逆回転の様相を呈しています。実際日本でも若者の多くは海外に出て行くことを躊躇する傾向が顕著です。あれだけ円高シフトを強いられた為替レートも今や長期円安のトレンドが定着し、円高経済に慣れ切った我々は物価高に喘ぎ、またその結果、金利のある金融環境では住宅ローンのマネージに頭を悩ませる等の事態に直面しています。日本国全体としても1960-70年代当時の「貿易立国」」というようなシンプルなビジネスモデルがなかなか見えてきません。従ってどういう人材が求められるのかも今ひとつクリアーになっていないもどかしさを感じる今日この頃です。

光明はないのか

 経済は安全保障と相まって更に複雑になっていくと思われます。ここでそのビジネスモデルを論じるのは少々ハードルが高いので敢えて控えますが、では何か目指す人材モデルはないのかというと日本はあながち捨てたものでもないと筆者は考えています。

スポーツ

 スポーツの世界に目を転じれば、野球の大谷翔平選手、サッカーの日本代表メンバー、オリンピックの金メダリスト等、当時の経済界を思わすような世界的に傑出した選手がそれもメジャーなフィールドで正面切っての台頭です。体格もスピリッツも世界レベルで全く引けを取らない日本のスポーツは本当に強くなったなと多くの人が感じています。

日本文化

 個別人材には直結しませんが、アニメ文化、ゲーム文化、日本食文化、日本ツーリズムは、堂々日本を代表し世界を十分牽引できる文化です。これらは日本経済が豊かになってそれが継続できている間に、しっかりと熟成・円熟して、日本の文化隆盛を成し遂げたものだと考えられるのです。高度成長期はハードの輸出でグローバルの勝ちゲームをやって、今はソフトパワーで世界を惹きつけています。

新しい人材モデル

 この文化隆盛を支える人材、これこそが今後の日本の人材モデルであり、これを経済界にも逆輸入することで、難しい時代でもまた経済界を発展させる原動力になっていきます。そこでは「超グローバル人材」という新しい人材モデルが活躍を期待されます。

超グローバル人材って

 グローバル人材は、専門性があってコミュニケーション力に長けたいわゆる海外で丁々発止ができる人です。翻って「超グロバール人材」に求められるものは、1️⃣専門性というより専門力、2️⃣加えて汎用力、3️⃣コミュニケーション力、4️⃣適応力(臨機応変力)が考えられます。つまり上記のような傑出した人達がこれらを備えているからです。

専門力

 それこそ彼、彼女がいないと仕事が始まらないとか、あの分野ではきっと何か変化を与えてくれる、何か新しいことが期待できるそんな余人に代え難い専門性に裏付けされた実績を出せる力です。仮にコミュニケーション力がなくてもその専門力があるために少々のことなら待ってくれるくらいの求心力を備えています。

汎用力

 大抵のことは専門ではないがわかる、そこそここなせる力です。専門力が縦糸とすると、汎用力は横糸です。人脈のネットワーク力なんかもこれで、いわゆる何でも乗り切ってしますゼネラリストとしての力です。

コミュニケーション力

 英語や他国語という言語スキルもさることながら、しっかり伝えるメッセージを持っていること。海外でありがちな「言い負かされっぱなし」とは対極です。それを支えるのはリーダーシップ、構想力、闘争心などが含まれると思います。なので最終的にはリスペクトされる力です。前述のゼネラリストたるためにも必要なものですね。

適応力(臨機応変力)

 どんな環境でも、逆境でも、折れずにやってしまう、やれてしまう力です。卑近な例ですが単身赴任でも健康でいなければならないために主婦以上の主婦力を身につけてしまい料理、洗濯、あらゆる家事をこなせるようになっているような生活適応力です。これは仕事適応力、人間関係適応力全てに通じますね。特に咄嗟の対応、未経験、無知識な分野での行動などの臨機応変力はその極みとでも言いましょうか。

不変のビジネスモデル

 日本のGDPの中心は内需だから今や輸出は必ずしも最重要エレメントではないというような報道が目立ちますが、では一体全てのこの産業革命以降の西欧文明を享受するのに必要なエネルギーはどうやって調達するのか。日本の場合、内需だけでエネルギー調達はほぼ不可能で、それを調達する外貨を稼ぐには外需(輸出)が必須です。再生可能エネルギーだけでは足りないのです。つまりグローバルで勝ちゲームをやって外貨をしこたま稼いでエネルギーを買うというビジネスモデルは営々と存在しているのです。だから超グローバル人材がこの役目を負わなければ日本の繁栄は未来永劫とはならないのです。少々円高時代の報道に慣れすぎて何でも輸入できると思っていては大間違いです。食料は今や輸入に60%以上も頼っています。外貨がなくなるとおまんま食い上げです。

時代は繰り返すか

 平和に担保された文化隆盛の時代、まるで江戸時代の元禄・化政文化のようですね。スポーツやアニメに夢中になるのもOK、日本食を追求するのもOK、しかし大事なビジネスモデルとそれに必要な人材育成を忘れていては、また明治維新のような激動を経て、エコノミックアニマルとなって稼いで稼いでという時代が来るかもしれません。しかしどちらもやれてしまっている日本人は大したものだと誇りにも思います。「超グローバル人材」なんて言っているのは筆者だけかな。

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